これが颯爽としていて、まことにもってカッコいいんですよ。足元は写っていませんが、長靴で完全武装。ヴィライナワシロ(会津食育推進協議会)の山際博美シェフであります。この日は、宮城県気仙沼市から、階上小学校の6年生たちが会津にやってきました。地元福島からは、喜多方市熱塩加納小学校の生徒たち。みんなでヴィラの[山際体験農場]で野菜を収穫し、ヴィラでシェフらが腕をふるった料理に舌鼓を打ちました。気仙沼の海から、熱塩加納の陸(おか)が産する[特選素材]とともに、おいしい交流です。ちなみに目の前はただの落ち葉の原・・・ではありません。キノコの菌床が埋まっています。 山際さんのように、農場や畜産の現場に足を運ぶシェフが、最近は増えたように思います。長年の信頼がある市場や仲卸店にお任せ、という店もたくさんあるのですが、どう育てたかをきちんと知るには、やはり足を運ぶ。これに勝る方法はありません。畑の野菜たちは、精密な土壌分析に基づいて足りない微量成分を補う[ミネラル栽培]。畑地を提供し、ホテルスタッフとともに農作物を管理する農家、宇川さんの丹精のたまものです。どれほどていねいに野菜たちの面倒を見ているか、それは枯れ葉ひとつ落ちていない畑をひとめ見ればわかります。 本日は久々に朝から晴れました。大陸の高気圧が運んできた、カラッとした空気。つまるとこ秋の気配です。東北事務局はとりたてて夏休みをとっているわけではなく、この機会に滞っていた原稿を進めていて、その中には[教育ファーム]のレポートもあります、ぶっちゃけた話(笑)。夏祭りもお盆までがピークですが、8月6、7、8日は、仙台七夕祭りでした。この3日間、仙台市役所前の市民広場からオンエアされたラジオの特別生番組に、教育ファーム事業の実施団体がゲスト出演するというので足を運びました。 番組は農林水産省の補助事業「平成21年度にっぽん食育推進事業」の一環で、食育先進地モデル実証団体であるNPO法人ハートフードクラブと、仙台シティFM(愛称ラジオ3)が企画した[ハートフードデリシャスタイム]。「食事のバランスについて考える」正午からの1時間番組です。役所とか公共の施設で、コマの形をした食事バランスガイドのモデル図を見たことはありませんか? あれで「何を」「どれだけ」「どのように」食べるかを考え、近くで産する食材や農漁も見直して行こうという取り組みです。 初日と2日目は教育ファームの団体からNPO法人オリザ・ネットの宮城学院女子大学生が、3日目にはNPO法人せんだいプチファームの[農場長]こと、名取市の専業農家三浦隆弘さんがゲスト出演したのです。 事務局は3日目を見てきました。観光客に囲まれたステージではまず、栄養士が登場し、コマの形をしたモデル図で出演者の食事内容をチェック。ステージ隣のテントでは、マンツーマンで直接食事バランスのアドバイスも受けられるコーナーがありましたね。 さあNPO法人せんだいプチファームの[農場長]は、後半20分ほどに登場。食べるだけの消費行動を越えて畑に飛び込み出会う体験が、子供たちだけでなく大人をどれほど豊かに育てるか。三浦さんは語ったのでありました。 教育ファームは、農家や漁業者が指導者として必ず加わっています。田畑や浜の風に吹かれて生きる純朴な実践者の声は何より力強い。その上で、多彩な経歴をもち、農漁の風景が抱く物語を [自分の言葉で]伝えてくれるストーリーテラーがいると、伝わり方はぐんと深くなるように思います。三浦さんは、そんな豊かな言葉をもっている一人です。 Tags:#NPO法人せんだいプチファーム
岩手県岩泉町は、県都である盛岡市から北東へ90km。北上山地のまっただ中にあります。石灰岩のギザギザした山の景観が印象的で、鍾乳洞も有名です。ということは、そう水がおいしい。石灰岩で濾過された水がごんごん流れるすばらしい川があります。町内の安家(あっか)地区もまた、アイヌの言葉で[清らかな水の流れるところ]だそう。ここに、営々と植え継がれてきた独特な大根があります。ただ[だいこん]といえばコレだったとか。いまでは安家地大根(じでえごん)と呼ばれます。 小学校の生徒たちが、種を採りました。採種用に残していた大根は、地上部ごと一月前に抜いてカラカラに干していたもの。それを指で裂き、新聞紙の上に落とします。大きさ1〜2ミリ。30分くらいで900粒あまりが採れました。これを8月5日に蒔きます。 東北を見渡すと、わりあい寒冷な地方に地大根や、同じアブラナ科である地カブがたくさん再発見されています。特に山形県は多い。この傾向について、在来野菜を研究する山形大学農学部の江頭宏昌センセは、こうおっしゃってましたね。 「在来カブや在来ダイコンの産地は蕎麦とも重なります。どちらも、米の豊凶が見通せる8月近くに蒔いても、初雪が降る頃に収穫できる。そして翌年まで保存できる作物です。そばがきを、カブの漬け汁にひたしながら食べる、そういう食べ方があるんです」 つまりは、飢餓への備えであった一面が浮かんでくるのです。 飢餓、飢饉とは私たちからは遠い言葉である気がしませんか。でも冷静に考えれば、現代の食はとてもとても安心できる状況ではありません。いまは経済活動が・・・金がなんとか機能しているから、全消費量の6割でも他国から買える。お金があっても売ってくれない時(そうなりつつある)、近くに農業がなければ、私たちは簡単に飢えるはずです。 悲喜も光陰もあるのが歴史。そして歴史は決して進歩史ではありません。光も陰もぜんぶまるっと受け継いで行くのが地域の宝物。他にはない[じでえごん]の味を大切に活かしてゆく方角に、安家の、岩泉の未来はあると確信します。豊かに味わいましょ。食べ方はすりおろして味噌汁に入れたりするのが一般的だそうで。ちょっと辛みがあって、サンマに添えるのもいいみたい。漬けものにする家もあるとか。意外においしいのが、天ぷら。水分が少ない大根なので、コリコリした食感がおいしいらしい。秋が愉しみです。 左の本は、安家と北上山域のムラ暮らしを読み解く良きアンチョコ。 岡恵介「視えざる森の暮らし 北上山地・村の民俗生態史」(2008/大河書房 3360円) これに導かれながら何度か何回か通います。岩手における教育ファームの実施団体、[安家教育ファーム推進協議会]の嘉村さんから賜りました。ありがとうございます。 どっかで見かけたな〜と思っていたら、おお、[blogとりら]。 Tags:#安家教育ファーム推進協議会
昨今、最高の良食材はトーキョーの築地市場に集まるか、シェフや味にうるさい食べ手(食通なんて持ち上げるような書き方は死んでも書かん)が[お取り寄せ]するものらしいですね。んがしかし、それは、常にNo.2の味と理解するのが良識というものです。目の前の海から、畑から、採ってきたばかり、さりっさりの野菜や魚にかなうはずはない。あえてそこからはずれるものがあるとするなら、赤い肉類(豚や牛)のうまさは新鮮さではなく熟成度合いだと言えます。でもその食材が産まれた風土で味わう、ということもプラスαでちょっとは計上したいと思いませんか。 千葉県市川市の高校生たち300名余りが、福島県は磐梯地区でサマーキャンプを実施しました。ヴィライナワシロで実施する、教育ファームモデル事業の一環です。ヴィラの農園で野菜を採って・・・というのが残念なことに雨でお流れ。でもまぁブルーベリーは摘みました。で、裏磐梯野営場へ移動して、(本当は自分で採るはずだった)地場野菜と、地場肉でLET'S COOKING! 指導にあたるヴィライナワシロの料理長は、山際博美シェフ。福島の食材を数年かけて丹念に調べ直し、それをヴィラの宿泊メニューに生かし、地域に活を入れるべくがんばっているすごい人。農水省が認定する[地産地消の仕事人]でもあるそうです。 飯館牛のハヤシライス(PHOTO)、麓高原豚のカレーライス、会津地鶏のクリームシチューをこさえるのは、まさに奮闘すなわち戦いでありました(笑)。包丁が危うい。火がおこせない。ジャガイモが・・・煮えない(すごい)。 乙女たちよ鍛えましょう。そして、食べ物を自ら作れない(作らない)人は、誰かに作ってもらうしかなことを知ってください。それが、海の向うの、いつ途絶えるかもわからない距離の人でもいいですか。 花巻小屋(わたくしの岩手拠点)は昨夜から本降りの雨であります。梅の実がなる頃の雨だから、梅雨。日本の暦とそれを現す言葉は、つくづく四季に寄り添っているものですね。いつも森羅万象をからめながら自分たちの暮らしをつくってきた。と言った方がよいでしょうか。梅干し作りもそのひとつです。 宮城県丸森町の丸森東中学校に、梅干し作りをたずねました(学区内の自治会や女性部など地域まるごとが支援する形で[教育ファーム]事業の実施団体=丸東・改援隊をつくっています)。丸森は本県で最南端のまち。平地あり大河あり山ありの多様な自然、温暖な気候のもとで、農家は庭先に梅を植えてきました。おそらく、自家製梅干し率(そんなんあるのかよ?)は県下でもトップでしょう。 いろはの「い」は、傷みのない美しい梅の実を選ぶこと。そんでもって水洗いしてヘタをつまようじでほじってとりのぞくこと。これは食感も左右します。なにせ20人近い手があるので、ひとつひとつのプロセスはとりかかれば数十分で住んでしまう。農家のおかあちゃんやおばあちゃんたちは、これを一人か二人でみんな行っているのだ。家族のことを考えずにできるはずはありません。あちこちで書いますが、おいしいさを作るのは腕とか技術も大切だけど、つまるところは誠意。家族の健康まで考えて作っていることが大切。 梅干しは弁当に入れるとごはんが傷みにくい、食あたりしないといわれます。青梅を摺り下ろして煮詰めた梅肉エキスは、最新の薬学技術で数億円かけてあみ出される抗生物質まっツァオの強い抗菌力があることも知られてきました。 この先、塩漬け梅からは[梅酢]が上がってきます。そしたら、空模様を見計らって天日干し。太陽は顔を見せてくれるでしょうか(日食が近いっけねえ)。先は長いぞ。 [教育ファーム]12団体の取り組みは、いずれ食べることがついてまわります。明成高校調理科[リエゾンキッチン]の生徒たちが小学校児童と行った大豆の種蒔きでは、シェフの卵たちが作るアッチッチの豚汁をいただきました。味噌はもちろん、学生たちが昨年度の教育ファーム事業で育てた大豆で仕込んだもの。インスタントと違って、素性のわからない添加物など入っているはずもなく、豚肉と根菜ひとつひとつの味がわかる直球勝負の豚汁です。 NPO法人オリザ・ネットが実施した調理体験では、信じられないほど味の濃い豆腐をこさえて食べました。これは大豆の味とともに、指導に当たった師匠のウデも味わうことになりました。なにしろ、参加者が固めた豆腐と、師匠が固めた豆腐の味が違うんですから。豆腐を作って13年の凄味です。 話変わってある日。行きつけの喫茶店のカウンターで、その店の常連の野菜農家が、マスターとこういう話をしていました(当方は聞き耳を立てていた訳ですが)。 「自分の舌にあう、より[安全・安心な]ものが、食いたいときいつでも、食いたいだけいくらでも、しかも安く手に入ることが当たり前と思われてないかね」 それが消費者に保障される当然の権利だと考えている人もいるでしょう。食べ物は実に多くの手をかけて育てられ、採集され、加工されて箸の元へ届きます。でも簡単には有り難いことなのだということを、表層の言葉でなく実感している人がどれだけいるのだろうか。と思ってしまいますわなぁ、農家たった300万人、平均年齢60歳超、国内自給率40%、あるいは最近の[格安弁当戦争278円]なんて数字を見ると。 もしも、「うまいものが食べたいだけある」ことが当然の権利だとするならば、その義務は誰が負いますか。議員さんや行政には、あるかもしれない。そのような社会をつくるべく汗を流す人なのだから。「分担社会なのだから、農家にも義務がある」と考えますか。では、たとえば農産物の価格について、農家が意欲をもって再生産にとりくめる価格を支払った上で食べる義務が、消費者側に生じませんか。 食に対する考え方を、子供たちや学生だけでなく、消費者や、農家自身もまた見つめ直さなくてはいけないと思います。 出先で食堂やレストランに入らず、井川メンパにもった[のり弁]で済ませる日が案外あります。これってつまり弁当男子じゃん!・・・何か相違はありますか。本日は、NPO法人せんだいプチファームが、ジャガイモ堀り他を実施した。収穫後のランチタイムは、集まったみなさんが持参した弁当を、わけあいつつ。これも各位に箸を出していただいた。霧雨の中、みんな時間を忘れて土と取っ組んでいましたね。 農場長のブログに、なんか見覚えのある後ろ姿が載っているが、あまり気にしないようにしようと思う。 Tags:#NPO法人せんだいプチファーム
![]() ほんのしばし保存版としていた当ブログを再開します。 6月から、[教育ファーム]の東北ブロック事務局を務めることになりました。 「教育ファームは、生産者(農林漁業者)の指導を受けながら、作物を育てるところから食べるところまで、一貫した「本物体験」の機会を提供する取組みです。 体験を通して自然の力やそれを生かす生産者の知恵と工夫を学び、生産者の苦労を学び、生産者の苦労や喜び、食べものの大切さを実感をもって知ることが目的です。」 〜[教育ファーム]公式ウェブサイトより。 NPO、学校、企業などの実施に当たる団体は全国で118、東北地方では12。本部事務局(農文協)やしかるべき機関と連絡をとりながら、それぞれのスケジュールを把握し、レポートもする。という辺りが当面の仕事になるでしょう。長い目標としては、そうした活動をもっと広める、そのお手伝いです。なんというか、報告に徹するライターの立場から、もう少し踏み込んだ社会参画、になるかもしれないなーと思っているのですが。 で、このブログは、そのこぼれ話を中心にリユース(つっていいのかね?)することにしました。 内容は考えながら走り出しています。基本的にはざっくばらんでよかろうと。 どちらさんも、たまにおつきあいを。 画像? 狙いがちょっとオヤジっぽいすかね。 6月19〜20日に実施された、NPO法人オリザ・ネットの、本年2回目の事業の模様。 管理栄養士を目指す宮城学院女子大学生たちのよ〜っく育った足・・・は本旨じゃないですね(笑)、元気に田んぼへ入って、5月に植えた田んぼの稲を観察したのでした。おツカレサマ。 Tags:#NPO法人オリザ・ネット
前略
当雑記帖を含め複数あったブログを、新しいブログにまとめました。こちらです。 [blogストリームバンク] ホームページも、引っ越しました。こちらです。 [ストリームバンク] これまでの独自ドメインstreambank.infoは、5月11日をもって解約します。 よって、2本のメールアドレスが使えなくなります。 nasebe + @streambank.info nabe + @streambank.info これからの新しいメールアドレスです。 streambank に、@ そして ac.auone-net.jp と続けて下さい。 で、当[イシハナ雑記帖]は、基本的に更新しません。 アーカイヴです。 でも[環境gooブログニュース]にエントリーする投稿だけは、ここにもULして残します。そうしないと環境goo側の表示がリンク切れになっちゃうので。まぁこちらの都合、各位にすればどうでもいいことなのですが(笑)。 新ブログでのユーザー名 kawa-usso 謹白
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PROFILE & LINK
■公式サイト [教育ファームねっと] ◆農林水産省の平成21年度にっぽん食育推進事業「教育ファーム推進事業」の一環です。 ■教育ファーム本部事務局 (社)農山漁村文化協会 ●21年度実施団体 ■NPO法人[オリザ・ネット] ■オリザネット教育ファーム ■学校法人朴沢学園 明成高等学校調理科 リエゾンキッチン ■せんだいプチファーム ■せんだいプチファーム ふるさとの味伝承倶楽部 ■ほぼ日刊三浦タカヒロ ■JA加美よつばHP ■丸森町立丸森東中学校HP ■JA秋田ふるさと青年部の窓 ■ようこそJAおきたま ■ヴィライナワシロHP ■喜多方市HP 喜多方市小学校農業科 ■ジョウセンミソ ●PROFILE 一九六五年、宮城県出生、現住♂。文章小売職兼米農家。自然的衣食住旅、農林漁業的現況等、報告雑誌新聞紙上。謝々。本年六月〜[教育農場]東北地域事務局。 Mailは、streambankに続けて @ac.auone-net.jp ■HP[ストリームバンク] ■blogストリームバンク カテゴリ
飯、菜、酒、肴
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