棒架けと呼ぶ、蓑坊主に見える稲の干し方。岩手県南にかけての広い範囲で、「ほにょ」とも呼ばれる。漢字で書くと「穂如」。というのはウソで、「稲木」と当てるとか当てないとか。そう読めないよ。なぜそう呼ぶのかも皆目わからない。語感、変だよなあ。ほにょほにょほにょ。昔はコンバインもなく、ハーベスタ(自走式稲こき機)もなく、稲という稲はこうして天日乾燥だった。刈り取って乾くまでのうちに、稲は茎の糖分をすべて穂に注ぎ込み、だからおいしいとも言われる。もち用の小さな田んぼにコンバインは入れないのだ。
かつては拙宅でも写真2のような「はせ架け」だった。それから棒架けに変わった。田んぼに運ぶ杭と竹の量が、4分の1で済むのだ。よく乾燥させるために上下を重ね直す「取っ返し」(味噌造りでいう天地返しみたいなものか)という作業がつきもので、乾くまでの時間も多少かかるが、それでもおてんとさんの力をもらう。 今はコンバインで、稲刈り即、稲こき。乾燥は機械で。時に一部のマスコミが「農家は自宅用のコメは天日乾燥で、出荷用には機械乾燥で処理する」と叩く。ものごとが変わっていく理由はひとつではない。要するに農家は歳をとった。手伝いが簡単に得られないように社会も変わった。現金収入に追われるようになった。消費者の声を受けて流通業界は(市場が、ということだ)安く作ることを要求する。年寄り二、三人の体力で1ヘクタール以上の稲を天日乾燥にするなど、どだい無理なのである。非食糧生産者に、それを手抜きと言う資格はあるだろうか。農家には、自分で食べるものをよりていねいに作る権利はある。それは自然の一番近くに居て、陽に笑い雨風に泣き、汗を流している作り手の特権として何悪かろう。ま、ウチじゃ手を抜きまくって全部機械乾燥になってしまっているが。
by columnbank
| 2005-10-10 16:57
| 田んぼ/米
|
PROFILE & LINK
■公式サイト
[教育ファームねっと] ◆農林水産省の平成21年度にっぽん食育推進事業「教育ファーム推進事業」の一環です。 ■教育ファーム本部事務局 (社)農山漁村文化協会 ●21年度実施団体 ■NPO法人[オリザ・ネット] ■オリザネット教育ファーム ■学校法人朴沢学園 明成高等学校調理科 リエゾンキッチン ■せんだいプチファーム ■せんだいプチファーム ふるさとの味伝承倶楽部 ■ほぼ日刊三浦タカヒロ ■JA加美よつばHP ■丸森町立丸森東中学校HP ■JA秋田ふるさと青年部の窓 ■ようこそJAおきたま ■ヴィライナワシロHP ■喜多方市HP 喜多方市小学校農業科 ■ジョウセンミソ ●PROFILE 一九六五年、宮城県出生、現住♂。文章小売職兼米農家。自然的衣食住旅、農林漁業的現況等、報告雑誌新聞紙上。謝々。本年六月〜[教育農場]東北地域事務局。 Mailは、streambankに続けて @ac.auone-net.jp ■HP[ストリームバンク] ■blogストリームバンク カテゴリ
飯、菜、酒、肴 小屋ライフ 外へ、旅へ にゃん。& 生きもの カヌーと川遊日和@北上川 住めば都的トウホク 湧水カフェ クルマ キノコ万歳 窓 掲載誌 いま田んぼでは2023 いま田んぼでは2021 いま田んぼでは2020 いま田んぼでは2018 いろいろ 畑/野菜 教育ファーム 田んぼ/米 [トレーサビリティとは] 米TRB 畑TRB 大根/カブTRB ニンジンTRB からし菜TRB 白菜/レタスTRB キュウリ/ナスTRB トマトTRB アスパラTRB キャベツTRB トウモロコシTRB 枝豆TRB 大豆TRB シソTRB ジャガイモTRB いま田んぼでは2016. いま田んぼでは2017 いま田んぼでは2019 いま田んぼでは2022 タグ
以前の記事
2023年 10月 2023年 05月 2022年 06月 2021年 10月 2021年 05月 2021年 04月 2020年 10月 2020年 08月 2020年 05月 2020年 04月 more... 検索
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||