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貝殻積んで、何処行くの。

 石巻本宅の近くにて。
 先を走るトラックが、荷台にぎっしりとホタテの貝殻を積んでいた。中身が生ホタテ、というわけではなさそうで。

貝殻積んで、何処行くの。_d0060094_1057740.jpg これには、びっしりと種ガキがくっついている。岩手ナンバーなので、陸前高田か、大船渡か、あるいはずっと北の山田湾辺りの養殖家だろう。
 この人が買い付けてきた先はすぐわかる。当方が住む石巻市の万石浦で種ガキ栽培する漁師に違いない。畠山重篤氏(木を植えるカキ養殖家:[森は海の恋人]著者)に言わせると「三陸産はすべて万石浦の[宮城種](みやぎだね)。北海道から西は能登までに行く、日本のカキの少なくとも6割を占める種です」
 万石浦はいってみてば359℃を陸に囲まれた袋状の内海で、たった1℃(以下だろうな)にあたる、幅数百メートルの水路で外海と結ばれている。ここはカキの種苗栽培にあつらえたような天恵の[ゆりかご]だ。

貝殻積んで、何処行くの。_d0060094_11102513.jpg 7月、石巻市の沖合で大発生したカキの幼生は、船上からホタテ貝殻を投入されるとかたっぱしからくっつくのだ。これを引き上げ、万石浦にもち帰って半年以上[抑制栽培]する。干潮線と満潮線の間に種ガキの棚を設ける。と、干潮で空気にさらされて、強い個体だけが生き残るのだ。こうして選りすぐられた[宮城種]は、1週間くらい海から上げていても平気だそうで。
 そういうわけで、三陸産カキは生まれが宮城、育ちがそれぞれの湾ということになる。まぁカキの味は「氏より育ち」だそうだけれど、ちょっと石巻の海に思いを馳せてもらえれば、きっと漁師たちもありがたいのではないかと。

columnbankを更新しました。こちらも浜の模様です。
同じ記事は環境goo[美しい味の日本]にも掲載されています。

ホームページのトビラも春〜初夏ばーじょんにしましたえ。
by columnbank | 2008-04-01 11:17 | いろいろ
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