カテゴリ:飯、菜、酒、肴( 181 )

近所はライバル。

a0118120_5562589.jpg 淡竹と書いて[ハチク]。太くてもせいぜい径15センチくらいのタケノコで、モウソウよりも薄手の外皮に包まれている。これが北上川沿いの淡竹林にざくさく出るものだから、この季節はじーさんばーさんがよく散歩するのだ。というか、散歩は目的でなく、タケノコをゲットするために。
a0118120_556583.jpg 川岸というものは[結]で利用してきた慣例的な共有地である。かつては岸辺に網をしかけて魚を採ったり、ヨシを刈り集めて屋根を葺いた。薪などを採った[入会山]と同じだ。このタケノコも、集落の誰がとってもいい。
 数軒が毎朝毎夕熱心に「さんぽ」するわけだが、よくかちあう。後から来た方は、先に入った方が手にもつ肥料の空き袋の中身が気にかかる。
「採れた?」
「べっこ(少し)ばりな」
 ずしっ。とした量感からもちろん少しではないことはわかりきっているのだが、そこは大人の会話で(笑)。
 このタケノコ、米ぬかとともに1時間も茹でる、というモウソウ筍のような手間が要らない。数十分ほど、下煮しただけで抜群においしい。煮しめ、炒め物、天ぷら(は生から)、炊き込みご飯。繊維の質感がはっきり、シャッキシャキの爽快な歯触りを誰もが、もちろん拙宅もモウソウ以上に好む。だから、さんぽバトルは凪いだ水面のようにおだやかでありながら、その実煮えたぎっているのだ。
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by columnbank | 2009-06-12 06:30 | 飯、菜、酒、肴

内陸で食べる海の幸。


d0060094_21213724.jpg 気をつけてみると、海から遠くはなれた土地で食べ習わす海の幸がけっこうある。刺身ではなく、まるっきり生からの料理でもない。すなわち干したり、塩で漬けたり、発酵させたり。
 元々は浜のムラで、食に差し迫る折々の不具合を、なんとか解決しようと始めた保存の工夫だろう。不具合その一、旬が短くて、そこを過ぎるとまた1年待たなくてはならない。その二、いざ旬に入ると食べきれず腐らせてしまうほどどっさり採れる。その三、冬は海が荒れて、船や漁具が発達していない時代には漁どころでなかった。
 いざ保存食というものがあみ出されると、それは採れたての魚介を食べられない土地に住む人にとっても大きな魅力になってゆく。ものを活発にやりとりすれば、人も情報も行き交うようになる。と、浜の味覚が内陸に迎えられる歴史をざっくりと想像してみた。そうしたバックボーンが、福島県会津地方の身欠きニシン料理や、秋田県横手市のとろろ昆布にはある。土地を広げれば京都で食べる若狭ものの塩魚、甲府の煮アワビといったものがそうなのだろう。
 飢えに背中を追い立てられた、苦心の味。なんてマイナーなイメージはひとまずおいといて(withゼスチャー)、こうした保存食は生鮮よりもひと味ふた味、深みがある。知恵と時間を重ね連ねると、すごい味の奥行きを築くものだ。
 で、とろろ昆布。岩手県内陸の一関市大東町にもすばらしい品があることを知った。及川商店というザッツ乾物屋さんである。パックにぴっちりと抑えこまれていた昆布をつまみ上げると、薄く薄く、しなやかでフワッフワ。味噌汁に放ってみたら、のどごしも旨味もすばらしい。一番手っ取り早く味わおうと思ったら、とろろ昆布をお椀に一盛り、お湯を注いで醤油を少々。ダシはなくてもかまわない。

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 さておまけ画像は、さりとて旨し生鮮品。左は沿岸部の大船渡漁港産サワラの刺身、右は釜石漁港産の真ダコ浜茹で。どちらも岩手県花巻市の別邸で、近所で買った夕げの酒肴。大漁港がある宮城県石巻の本宅で食べるのと、そう変わらない鮮度であった。現代の輸送スピードと鮮度を保つノウハウは、2〜3時間程度の輸送をものともしない。これも確かに、口福のひとつではあるわな〜。
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by columnbank | 2009-05-31 21:34 | 飯、菜、酒、肴

今朝、花巻小屋で。

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月見豆腐。
寄せ豆腐(岩手県産大豆で作ったやつ)の真ん中に、温泉卵を落とす。
炊きたてゴハンにのせて、わしわしといただきまうす。
七味がほしかったなー。
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by columnbank | 2009-02-26 10:58 | 飯、菜、酒、肴

3年ものアンチョビ。

d0060094_18483716.jpg 買ったまま忘れていたアンチョビをみつけた。結果的に3年もの(笑)。
 缶をあけて、見かけは何も変わりない。けれど、箸で、箸で、箸っっっっっで・・・つまめない。ぼそりぼそりと崩れてしまう。
 スプーンですくって、湯豆腐にのせて食べる。すんごくうまい。熟成が進みきっている感じ。
 次の日、もったいないからくずれた身を油ごと温め、パスタにからむ。キャベツをどっさり刻んで、黒胡椒を挽く。これまたすんばらしくおしいしい。アンチョビ、まとめ買いしてビンテージにしてもいいかもね。
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by columnbank | 2009-02-10 18:54 | 飯、菜、酒、肴

塩サンマでお茶漬け。

d0060094_20433814.jpg 丸干しの塩サンマ、味は油に漬けていないアンチョビを想像してもらえると良い。ニガリ分のビター。風干しの旨味。
 酒のアテにした余りの身をむしる。ごはんにのせて、鍋あとのスープ(油揚げ、ハム、ダイコン千切り、ワカメ、白菜・・・要するに余り物の水炊き)を回しがけ、黒胡椒を挽いて、さくさくさく・・・。
 野菜をいっぱい使ったので汁が甘く、味のまとまりをくずしている。おかわりに、白湯をかけたらすばらしくおいしかった。
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by columnbank | 2009-01-30 20:49 | 飯、菜、酒、肴

日本酒がおいしい。

d0060094_2053559.jpg左から・・・。
乾坤一・特別純米(けんこんいち/宮城県村田町)。
日高見・本醸造(ひたかみ/宮城県石巻市)。
南部美人「燗」(岩手県二戸市)。中身は本醸造。

乾坤一は、仙台の大姉&小姉にいただいた、はっぴバースデー。
ありがとうございます。感謝にたえません。
んふふ♥

d0060094_2143879.jpg南部美人「燗」、右隅に一文字。かなり大胆なラベルである。
これは花巻小屋にもっていこう。
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by columnbank | 2009-01-24 21:08 | 飯、菜、酒、肴

最近のうまかったもの、ほか。

弟のリクエスト、「うまい焼き魚が食いたい」
で、女川漁港(クルマ25分)の魚屋で、氷の上でまだ生きているマコガレイを買ってきた。30センチオーバー、肉厚、子持ち! 
刺身でもいける鮮度をあえて焼く。うまくないわけがない。
アゴの下やほっぺに、よく締まった肉が隠れている。皮の焦げ目が、中心がレアの卵が、日本酒を呼ぶ。

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 花巻小屋でのクッキング、onアラジンストーブ(取説には鍋類を載せるなとある)。サバ水煮缶はえらい。オリーブオイルとハーブでイタリアン。ごま油と花山椒にすればヌーベルシノワ(か?)。

 味噌焼きおにぎり、シソっ葉とともに。シソは葉も実も、塩漬けにしておくとほんとうに重宝。摘み頃の[段取り]がものをいう。
d0060094_16532268.jpg どんと祭(=どんど焼き:正月送りですね)で使った公民館の湯呑み茶碗が、丸盆と絶妙のプロポーションなのでパチリ。見えないけど底に「アサノヤ」とあるのは、まちの酒屋。公民館が建った時のお祝いだったのかも。当方が小さかった頃、父親はここで配達を仕事にしていた。サザエさんにおける三河屋(字の当て方は正しいか?)さんだったのである。
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by columnbank | 2009-01-21 16:48 | 飯、菜、酒、肴

冬至カボチャ。

d0060094_2327466.jpg 拙宅のカボチャはできがわるかった。近所のお母ちゃんから、師がいただいてきた立派なカボでスープをつくる。師は師で煮カボをつくったんだけど、「もらって言うのもなんだけど、あんまり旨いカボチャでねえな。ほくほくしとらん」
 スープは食感カンケーないから、おいしおす。
去年の同じ料理投稿はこんなん。

 ほんでもって今日は師の母(つまり祖母)の一周忌。ほんとは15日なのだが、坊さんの都合で本日、お経を上げた。新しい塔婆も立て、祖母宅で軽く酒食。師の弟妹たちがにぎやかに集っている中で、誰かが足りないような気がするなー誰だろなー。と思って視界に探していたのは他でもない、祖母であった。おっかしい、もう居ないのにさ(笑)。
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by columnbank | 2008-12-21 23:48 | 飯、菜、酒、肴

おかず、主食。

d0060094_22165044.jpg 窓の外でおかずをこさえている。塩サンマである。生より好きですね、わたくしは。脂が抜けて、こざっぱりして。PC叩いてて目を上げるとサンマ、つーのもどうかとは思うが。
d0060094_2219501.jpg 拙宅の主食はコメ、なんだけど、パンがおいしくないわけでは、もちろんない。それが大迫のパン窯ドン・ボスコのものならなおのこと。
 スイス風の「三つ編みパン」は、食べごたえがどっしりしている。でも決して重くはない訳で、美味しいものはその変のさじ加減が大切なんだ。自ベーコンとチーズ(は生協の輸入ゴーダ)をのせて焼いた。小麦、豚肉、乳、豊かなボディも三つ編みだい。
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by columnbank | 2008-12-18 22:26 | 飯、菜、酒、肴

近けりゃいいのか。

d0060094_16462713.jpg この7〜8年間というもの、「外国産よりは国産、遠隔県産よりは県内産を、県内でも願わくは地元産を」と呼びかける取材・レポートになるべくかかわってきた。自分が買い物をする基準も、できる限りその点に添う。多くの農家がそうであるように、米とある種の野菜はほとんど買わないが。
 面と向かって言われたことは少ないが(ちょっとはある)、いろいろな異論があるものだ。「近いとこのもんだからってうまいとは限らないだろう。最終的にうまいかまずいか、決めるのは食った当人だ」という意見もその一つ。
 おっさる通り。たとえば豆腐をサンプルに考えようか。
 カナダ産大豆を使っておいしい豆腐をこさえている店を知っている。店主は輸入大豆といってもピンキリ、と良い大豆を使い、水は地元の湧水を使い、1丁120円で地元の人に喜ばれる豆腐を、素材が高騰しているいまも作り続けている。
 一方で当方は、転作大豆を使って豆腐を業者に委託加工し、販売している農事組合法人も知っている。この豆腐の味はというと、実は明らかに味が薄い。素材が良くたって、薄い豆乳を作用の強い化学凝固剤で固めれば、国産だろうが銘柄大豆だろうがおいしくないに決まっているのだ。
 大豆だけの話ではない。アメリカにはコシヒカリもササニシキもあり、有機農法を実践している、面積エーカークラスの農場がごちゃまんとあるのだ。黒毛和牛も日本短角牛も肥育している。それらを一つ一つ食べもしないで「国産がおいしい、安全」とは言えないだろう。先に上げた豆腐、どっちを食べたいかと問われたら前者と答えてしまうな自分も。
 要するところ買い手にお願いしたいのは・・・。味に不愉快な思いをしてまで近くのものを買ってくださいとは言わない(実際はそんなもの少ないと自信は持っている)。どうこう詮議するほどの差がないんだったら、多少高くても、国産や県産を応援してはくださいませんか。といった辺りなのだ。
 選んでもらうための誠意は大切。おいしくない地元産大豆豆腐をつくる会社は、そこが足りないと言うことはできる。豆腐くらい、うまいの食べようよ。
 画像は、生より数段うまい、豆腐の味噌漬け。このまま食べてもいいし、湯豆腐にすればタレ不要。日本酒がすすむよ。
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by columnbank | 2008-12-13 17:14 | 飯、菜、酒、肴