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忘れ物KING、奥の手。

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忘れ物KING、奥の手。_d0060094_9251449.jpg ケータイはポケットに入れると重い。首からぶら下げるのもだらしなくていやだ。あけびつるのウェストポーチに入れることにした。
 3年前に本県加美町のクラフトショップ、藍學舎(らんがくしゃ)で購入したはいいが、しばらくお蔵入りしていたものだ。なぜか。それは、目立つから。買うときにも言われたんだ〜、包みながら「columnbankさん、これね、目立ちますよ」。つけているのを気にしないで、旅先の工芸店なんぞにはいると、店員さんが見つける。質問される。お客さんにも聞かれる。この店のものではありません。
 藍學舎のオーナー、笠原博司さんは染織家である。先刻、国展の最高賞(名前忘れた)を受けた。着物、帯、マフラーやストールなど、繊細で緻密な作品を日々織りなしている。芯の通った強さが布の上で呼吸しているような印象(うまく言えない)は、やはり40代の男の感性だと思う。その笠原氏が「男が持って歩けるつる細工を」という考え方で指示し、本県大崎市(旧鳴子町鬼首=おにこうべ)のつる細工職人がこしらえたシリーズのひとつだ。他に、A4書類が入る山ブドウつるのバッグなんてのもあって、これは「乱れ編み」という実にざっくりとした、奔放な編み技がこらされている。フタは、つるのループをトチの実フックに止める凝りよう。欲しかったけど値段を見て諦めた。それでも、他でみかける野暮な割に超高額なつる細工よりも、ずっとお買い得なのだった。
 ゆるやかにテーパーがかかったシルエットは笠原氏の言葉を借りれば「ここまで編める人はそういるものではない」。背面にベルト通し。蓋は古布〜酒の絞り袋を、マジックテープでとめる。そして内張は木綿で、笠原氏自身の手による本藍染め。いちばん鮮やかで明るい縹色(はなだいろ)。そこまで凝るか。
 ふだん目立つのはやっぱり困るので、Tシャツの上にたっぷりとしたアロハ(といってもトロピカル柄ではないぞ、アウトドア屋のアースカラー)を羽織って隠すとしよう。
 藍學舎は木工、ガラス、陶磁器、哲、布、ユノキサミロウ、李朝もの、とにかく笠原氏の目利きで優れた品が揃う。荻窪銀花からの企画展が移ってくることも。いつも店にはとてつもなく美人の奥様がいらっしゃる。コーヒーを頂きながら(喫茶「ゴーシュ」併設)、ものづくりや旅の話をするのもまた楽し。月曜と第4日曜は休みだよん。
 クルマの鍵は、クリップ式のキーホルダーで、失くしにくくなった。ケータイもこれで大丈夫か。だけど他にも、忘れそうなものは山ほど持ち歩いている。サイフ、名刺ケース、手帖、悩みはエンドレス。
by columnbank | 2006-07-05 09:51 | いろいろ
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