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ササニシキ、刈る。

宮城のコメはすっかり[ひとめぼれ]が9割近くを占めてしまった。
平成5年の凶作までは8割以上が[ササニシキ]。
約10年で逆転したけれど、石巻はしぶとくササ (作付け面積の3割以上)を作る農家が多い。

ササニシキ、刈る。_d0060094_18441170.jpg 拙宅も14反のうち、ササ8反、ひとめ6反。この辺の人たちは「ひとめは売って、ササは食う」と言う。
 ひとめぼれは確かに冷害には強い。草が丈夫で、風雨で倒れにくい。コシヒカリと同様、餅米の系統が入っているので、食感まさにもちもちと食べごたえがでかい。[あきたこまち]もそんな系統の味。
 だけどねえ、おいしさってそれだけじゃないんだよ。ニーズに柔軟に対応することは大切かもしれないが、気ままな消費者を追いかけて自分の舌を置き去りにするのは良いことではない。期待に応えることと、おもねることは紙一重だけど違うのだ、明らかに。ウチらはこれが美味いと思う。そういうものを、自信をもって提供してみたいもの。宮城県にとってササニシキはその[御旗]だと思う。
 ササの味はと言えば、あっさり。いくらでものどにザクザク流し込める。寿司のシャリにすると、口の中でさっくりとほぐれてネタとからむ。江戸前寿司で「コシヒカリ」なんて使う店はモグリ、と言い切る親方を知っている。
 コメの再生産価格を生協が1俵2万2000円とはじいたのは3〜4年前だったか。いま、1俵1万7000円。コメは山の木を追いかけつつある。
 でも栽培する以上、安くて割にはあわないけど、いっぱいとれるといいなあと思ってしまうのだ。 
by columnbank | 2006-10-04 19:01 | 米TRB
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