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遺伝。

 伯母(母の妹、「叔母」は父母の姉だそうですなー初めて知った)がウチに来て母とお茶っこ飲みをしていた時の話。二人の母ちゃん(つまり当方からすれば祖母)は、よく真夜中に起きだして座敷のタンスをゴソゴソ整理し始めることがあったと笑う。趣味なのかしら・・・。
当方「あ、オレ似てる。夜中に机だの本棚の配置変えを思いつくと目がさえて、せずにいられん」
伯母「こんなどこさ遺伝してやがったか(笑)」
 婆さん家まではクルマで5分。たまに医者まで載せてってくれと電話が来る。母親が忙しそうな時は当方がちゃっちゃと送り迎えする。ごくたまーに小遣いをくれることがあって(いい年なんだけどサ)、それが福沢諭吉先生だったりするから、下心もアリアリであったことは否めない。
 そんな送迎もここ1年くらい少なくなって、先月。とつぜんに痙攣を起こして、一時は病院の集中治療室へ。が、1週間ほどで回復し、自宅で静かに過ごしていた。心配はしていなかった。ポータブルのトイレも自分でする。食はさすがに細くなったが、ボケたわけでもなく、わがままを言って困らせることもない。
 発ったのは15日の朝。布団の中で、本当に眠り続けるように逝っていた。駆けつけて会った祖母は、こんなに穏やかな顔があるものかと思うほどの慈顔で、少し笑っているようにも見えた。バリ・ヒンドゥーに曰く、死はその人の人生が完成する時である、と。
 白状すれば一つだけ悔恨がある。94年も生きてくれたのだから、ふつうならひ孫くらいいてもいいはず。ごめんよ。そして、ありがとう。あなたがいたから自分がいる。

主立った各位には、年賀欠礼のメールや書状を送りました。
この場でも本年賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに、
明年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます。
by columnbank | 2007-12-20 08:37 | いろいろ
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