人気ブログランキング | 話題のタグを見る

その肉の向うに、ドナドナ。

その肉の向うに、ドナドナ。_a0118120_21224882.gifその肉の向うに、ドナドナ。_a0118120_22242827.gifこの投稿は、環境goo[美しい味の日本]中のブログニュースにもエントリーしています(直リンク)。
その肉の向うに、ドナドナ。_a0118120_20572940.jpg

 16日は拙宅で産ませ育ててきた子牛[コンソメ]=近藤染子の♪ドナドナであった。
 (わからない方もいるかもしれないですね。[ドナドナ]=出荷の意。
 ♪かわいい子牛 揺られてゆくよ
  ・・・
  ドナドナドナ ドナ 子牛を載せて
  ドナドナドナ ドナ 荷馬車が揺れる より)
 朝7時、農協のトラックにコンソメを導く。この時点で手こずらせる牛が少なくない。暴れて昇降口を踏み外したらそばに立っている人は危険だし、牛が足を折るようなことがあれば商品価値は下がって二束三文。さいわいなことに、彼(去勢してるけどさ)はすんなりと載ってくれた。
 母親にばっか任せていたので、久しぶりに行った小牛田家畜市場。数年前に施設が新しくなってから、「楽になった〜」と畜産家は口々に言う。天井の走行クレーンから伸びるチェーンに、牛の頭へ回したロープをつないで誘導する。せり場の入り口が体重計になっていて、一頭一頭が通る際に計測される。
 せりは速い。
「2930番、8月生まれ、去勢。首に皮膚病の治療痕あり。
 23万円から」などとアナウンス。
 電光掲示板が明滅して数字が上昇し、せり落とされるまでせいぜい30秒。数字が動かない、つまりその値で買い手がつかない場合は
「22万円から。・・・21万円から」とスタートを切り下げるわけだが、聞いてる飼い主はツライだろうな。
 さて肝心のコンソメの値段。25万円余だった。安い。前回売った牛(ハラミと名付けていた)は40万円で売れたったのに。ウチだけでなく、最高額も55万円、おおむね20万円くらい下がっている。一時よりは落ち着いた飼料高、燃料高がまた上昇する気配があって、肥育家にとっては子牛の仕入原価を高くするとやっていけない、という面が確かにある。
 買われた子牛たちは、買った土地の名前を冠したブランド牛として18〜20カ月ほど育てられた後、肉にされる。彼らにとってほんとうの恐怖がやってくるのは、その時だ。
 きょう食卓に上がった焼き肉やシャブシャブの向うには、そのような光景がある。くらいのことを理解しておくのが「いただきます」の心だと思う。
 感傷に傾くのは本意ではない。ガッツリ焼き肉でも食いに行こうと、無性に思った。
by columnbank | 2009-06-18 21:11 | にゃん。& 生きもの
<< 引っ越しました。 近所はライバル。 >>